エアロレザーこそが至高の革ジャンである、と言い切っちゃう理由
今回は「革ジャン」のハナシ。
それも私が勝手に革ジャンの中の革ジャンと一方的に決めつけている、AEROLEATHER(エアロレザー)のレザージャケットについて。
※写真は私物のハイウェイマン×2着。
それぞれオイルプルホースハイド(ブラウン)、
カウハイド(ブラック)。
Contents
なぜエアロレザーなのか?
さて、世の中に革ジャンメーカは多々あるわけで。
バンソン、ショット、ラングリッツ、ルイスレザーなどなど。日本でもカドヤ、ペアスロープなど、とっても良いメーカがあります。そんな中、私がエアロレザーをダントツで愛する理由とは?
頑丈である
まーここに尽きますよね。
私はエアロに限らず革ジャン自体が好きでもあるので、先述のメーカ含め、かなり色んなとこのジャケットを着てきました。
で出た結論が「こりゃエアロ以外有り得んな」ということ。
バンソンとかも確かにゴッツいレザー使ってて、ヘヴィではあるんですが・・・
何というか、ただの「分厚い牛革」っぽい感じ。
※あくまで個人的な感想です
もちろん、頑丈さ、ヘヴィさの定義って人それぞれなんですけども。でも私にとっての頑丈さってガンコなまでのこだわりが大事というか。
細かい部分の手を抜いては、それはもうヘヴィとはいえないじゃないですか。
エアロは裏地もゴツい
そうそう。
こういう所なんですよ大事なのは。
先述のバンソンもですが、アメリカの革ジャンはどれもこれも裏地がペラい。素材自体がもう、サラっとしたサテン生地?みたいな?
いやいや。ちょっと待てと。
表はそんだけゴッツいレザー使っといて何?
何なの?そのテロンとした生地は?
んなチャラチャラした布きれ、数年、いや数ヶ月もすりゃ表のゴツい革に負けて擦り切れてくるに決まってんだろうが
・・・と思いつつも、実際にはあのテロンとした生地、思ったより強いんですけどね(笑)
特にタイタンクロスなどは非常に強いんですけども、なんというかですね、「それってちょっとズレてね?」と思うわけですよ。
だって、リアルな「強さ」、つまり生地としての引張強度だの引き裂き強度だのを考えるなら、そもそもが「皮革」など余裕で落選なわけじゃないですか。
「裏地にナイロン使うんだったら表もナイロンでいいじゃん」
・・・と思うの私だけ?
まあそれはいいとして(笑)
その点エアロはどうかというと。
まず「選べる」んですよね。裏地。
ちなみに私のイチオシはアルパカ or コットンドリルです。伝統のロキャロンのタータンとかツイードも最高に良いんですけど、意外にアルパカの方が擦り切れに強いんです。
あ、そうそう。
それとエアロの場合、ちゃんとポケット裏までゴツいコットンドリルを使ってるんですよね。そういう所がたまんない。
去年私がアメリカで買ったバンソンは、サイズ感も革質も文句なしだったんですが、ポケットの裏地がペラッペラのサテン生地だったのがどうしてもイヤで、結局すぐ手放しちゃいました。
え?そんな事で?と思われるかもしれませんが、このポケットの裏地って唯一直接肌に触れる部分だし、ここがヤワだとどうしても気分が良くないんですよ。
FQHH(フロントクオーターホースハイド)
さてさて。エアロといえばこの革。
名門ホーウィン社と独占契約でエアロだけが使える、最高の馬革。
この馬革はマジで手ごわいです。
いやね、別にこの革も「厚み」自体は他のメーカとそうそう変わらないわけですよ。じゃ何がどのぐらい手強いかって?
一言で言うと「硬い」。
この革の主な特徴をざっと挙げてみますと。
- 体にフィットさせるまで最低2年
- でもシーズンオフには元の鉛板に戻る
- あまりの硬さにワンサイズアップを選びたくなる
そうですね、だいだい5年はかかるでしょうか。ヤレた感じが出てくるまでに。んで、その頃にはすでに我が子のように可愛いジャケットになっている、という塩梅なわけです。まーとにかくエアロのホースハイドは硬い。
まあ、だからこそ育てがいが有る・・・というのもまた月並みな表現でイヤですけども、やっぱり手懐けるのに苦労すればするほど可愛いってのは間違いありません。
あ、冒頭の写真ですが。
ハイウェイマンのうち、ブラウンの方。
あれってFQHHじゃない「オイルプルホースハイド」なんですが、これもメチャクチャ良い風合いで大好きなホースハイドです。硬さはFQHHほどではないですが、若干馴染みやすい感じ。
あと、このオイルプルってベジタブルタンニンなめしなので、クロムなめしのFQHHと違って扱いには若干の注意が必要。(ビシャビシャに濡らさない、熱を加えないとか)タンニンなめしなだけあって、風合いの出る早さはオイルプルのほうが早いです。しかしこの革、情報によると今はもう扱いがないとか。大事にしなきゃですね。
さて、まだまだあるよエアロの良さ、ということで。
永遠の定番である。
そう。
頑固なまでに「変わらない」こと。
これも非常に大きなメリットだと思います。
エアロで言うと、
・ハイウェイマン
・ハーフベルテッド
この2つが不変の定番ですね。
でもね、ファッションという世界で「変わらない」ってのは本当にスゴいことだと思うんですよ。だって、数十年とモデルチェンジなしってことは普通に数千人とかヘタしたら数万人単位で「カブってる」わけじゃないですか。確実に。
それでも成り立つ。
それでも愛されて、
また同じモデルが購入されていく・・・
っていうのはマジでスゴい。
これって結局、たとえ着ている服は同じでも本質的には「カブらない」ってことなんですよね。だって、同じように月日を経た革ジャンは絶対に無いわけだから。
なので、たとえ全く同じ黒のハイウェイマンを着た人と街でバッタリ会ったとしても、「お、あんたんとこのソイツも良いね」という感情が湧きこそすれ、カブってて恥ずかしいなんてことは起きない。・・・いや正直に言うと起きるかもしれないけど、それはまだその人が「革ジャンに着られてる」証拠、ってことで。
で、これこそが次に挙げる革ジャンのメリットそのものなんですが、革ジャンって
意外に安上がり(だと思う)。
いやマジで。
確かに一着一着は高いです。
そりゃまー10万円とかしますし。
いやポンド高の今はもっとか。
え?んなもん買うための口実だろって?
まーそうですが(笑)
でもね、一生着れる服なんざ革ジャン以外にゃそうそう無いでしょう。一生着れるというガチな耐久性の話もそうですし、もっと大事なのは一生、つまり50年、60年と着てもサマになるってことですよ。
普通の服を50年着てたとしたら、 そりゃもはやただの仙人ですからね。
何十年分のエイジングを「アジ」と言い切れるのは、やっぱりレザーだけかと。
少なくとも言えるのは、最高の革ジャンを1着買った後は、 間違いなく服を買う回数が激減します。
もはやエアロ関係ないよね
いやー、ちょっと興奮しすぎてもう最後の方とか「エアロ関係なくね?」な革ジャン全般への愛を語ってしまったわけですが。
そうだ、最後にちょっと言っときたいのが。
たまーに「エアロは日本人には合わない(キリッ」みたいなことを抜かす輩がいますが。
私から言わせてみれば、そういう人間は大いなる勘違いをしてますね。
あのね、そもそも革ジャンてのは
「合う・合わない」
とかそういう話じゃないんですよ。
革ジャンというのは、 自分を革ジャンに合わせるもんなの。
合わなけりゃ着ない
し、逆の言い方をすりゃ
合うまで着倒す
もんなんだってば。
まーそりゃ確かにエアロのサイズとかシルエットって欧米的というか、決して細身の人に合うようには作られてないですよ。 (最近は例外有り。細いモデルもある)
でも、それもある程度はしっかりサイズを選べばかなり解決出来る問題だし、もっといえば自分自身がもっとゴツくなれば済む話。
それを革ジャンの一着も着潰したことすら無いくせに「やっぱり日本人にはカドヤだね~」とか偉そうに抜かす奴には一生エアロは着こなせません。
※あ、カドヤは素晴らしい革ジャンメーカーです
まあ、ともあれ確かにサイズ選びは大事です。
で、エアロはサイズ表記の割にデカめなのも事実。
でもそのかわり、ってのも変ですがエアロはサイズ最小32からありますし、もっと言うと実はSとかMというレディースサイズもあります。
これはホントあんまり知られてないんですけどね。(ただ、レディースのサイズ展開があるモデルと無いモデルが有ると思うので、そのへんはご自身で確認を)
というわけで。
ぜひともご自分にあった最高の一着を見つけて、
素晴らしい革ジャンと素晴らしい人生を。